がんばるワン旅日記Ⅲ

キュヒィーン キュヒィーンと姫の声で目が覚める。
イヴ姫殿、いかがなされた？

夢の中でうなされているのか。
爆睡中でんな。
まだ起きるのにはちょっと早い午前三時半。

次に目が覚めたのは一時間後。
さあ行くでしよ。

大鳥居をくぐり参道を行く姫。
悪夢（？）を見た後はお払いしに神社へ。
なかなかストーリーとしてはよかよね。

で、神社の階段前まで来て悩む姫。
真っ直ぐの階段か、左のスロープか。
さあ今朝のお気持ちはどっち？

くるり、引き返すでしゅ。
おっとその手があったか。
まさかここまで来てフェイント攻撃とは思わなかったよ。

寄り道は不動尊。
イヴ姫はこっちの方が好きのようでしね。

鐘をついてよかでしゅか？
うーん、それはちょっと遠慮しておいた方がいいんでないかい。

ならば、ちゃんとお参りするでしゅ。

本日のイヴ姫　2.6Kmを歩く

お家へ帰ろう。

稚内に1泊の翌日は札幌まで320Kmの移動。

北海道はでっかいどぉ！

札幌では叔母との対面も果たし、心置きなく北海道を後にする。
札幌から東京までは列車移動。

青森で途中下車、ねぶた見学して弘前宿泊。
仙台で途中下車、七夕見学。宮城の実家に2泊。
と言うわけで熊本にエっちゃんは無事帰ってきた。

そして居場所はいつものところ。
妹イヴのことも見守ってくれているのだろう。

晴れた日には空駆け回り、イヴはお庭でひなたぼっこ。
毎度おなじみのエっちゃん＆イヴ姫だね。

今日はめでたいめでたい重陽の節句。
さあ、恒例のあれ行くよ。

ちょっと高齢になったイヴ姫がおすそ分けを試食。
うまうまでしゅ♪

エっちゃん、お誕生日おめでとう♪

この道は～♪いつか来た道～♪
あぁそうだよ、ときたもんだ。

北に向かうがんばるワンズ。
目指すは日本最北端の宗谷岬だった。
その途中、エルは亡くなった。
享年15歳3ヶ月、天寿を全うした。

「旅」もこれで終わりなのか？
飼い主、あきらめなかった。
1日1Km、新たなルールを決めて続けることにした。

この道は　いつか来た道
あぁ、そうだよ　エルと一緒に宗谷岬を目指した道だよ。

さあ、いきなりだけど宗谷岬に到着

最北端の碑の前に立つ飼い主。
むさくるしい顔はオイトイテ、ちゃんと行っただよの証拠。

海の向こうはサハリンだよ。

直接に海に触れることができる場所があるのだろうか？
現地に着くまでは情報不足でわからなかったけど、
何だよ、ちゃんと階段付きであるじゃないか。

手のひらに粉骨になったエっちゃん。
海水にさらさらと溶けていく。

やっと来たね、とうとう来たね。
僕らの旅もこれで完結かな。

その夜、稚内には花火があがった。
僕らのゴールをお祝いするみたいに
夜空にきれいな花がいくつも咲いた。

めでたいめでたい重陽の節句に生まれたエル。
今年は生誕25年だ。

先月に行った北海道の記録などちょっとメモ。

札幌からレンタカーで羽幌まで。初日は移動でおしまいだね。
と言いながら、途中の留萌でいとこ宅にちょっとお邪魔。
羽幌ではまた別のいとこに夜おじゃま。
このいとこは姉と弟の関係なんだよね。

一夜明け、朝の散歩で羽幌のフェリー乗り場まで。
ここから焼尻島・天売島の便が出ている。
ちなみに飼い主の生まれたのが天売島。
今回は島へは渡らないけど。

いとこの道案内で羽幌町の築別へ。
かつて炭鉱が栄えていたころに住んでいたことがある所。

駅のあった辺りと手前右側には教員住宅があった。
5歳の時にこの地で母は亡くなった。

次は別の地、遠別町。
ここには小学校2年生まで在籍し、後に宮城へ引き上げる。

50数年ぶりの対面を果たしたいとこたちと別れてオロロンラインを北上。
稚内は近いぞ。

エっちゃん、僕らが北を目指して「旅」をしたのには訳があったのかもしれない。
君に僕の生まれ育った所を見せたかったのだろう。

約束の地、宗谷岬はもうすぐだよ。

（明日に続く）

明るくなって雨も上がったようだし、いざ行くでし。

稲も穂が出て「ほっ！」って。
だよね、イヴ姫

姫のテリトリーで上流から数えて4番目の橋。
渡るふりして渡らない姫。
ここで帰るか

道草クンクン。
西の空には青空が広がってきたよ。

もしかして今日はこのまま晴れるのか？

ところがそうは問屋が卸さない。
もうすぐウチに着くぞ、って頃にザザーと降り出した。

おまけに遠くで雷もゴロゴロ。

あぁ～、やっぱり神頼みせんといかんばい、イヴ姫さま。

イヴ姫も徐々に調子を上げてきているのか。
今朝も寒いくらいだしね。
寝る時は別々だけど朝に気がつくと布団に戻ってきている姫。

堤防沿いの道を上流に向かって、はいポーズ。

大鳥居をくぐって参道を進むイヴ姫。
今日こそは神社に行くつもりばいね。
飼い主はそう確認した。

さあ、もうすぐ階段だ。
とここで、あろうことか引き返す姫。

おいこら。
飼い主は失念していた。
イヴ姫の得意技がフェイント攻撃なのを。

その後寄り道をして不動尊に向かう姫。

階段を上るとそこは仁王門。

クンクン、何かを感じるイヴ姫。

捜査官モードに変身。

こちらは仁王さま。

臭う臭うってそれもそのはず、ここは仁王モン

はい、そんな話はオイトイテ
雷さまにおへそを取られないように！とお願いをするイヴ姫。

本日の姫　2.7ｋｍと結構歩いたでしね。

秋雨前線に湿った空気が流れ込み
えー、そんな訳で遠くで雷もゴロゴロ。

イヴ姫さまは怖くて落ち着かない。
安全な場所を求めて、おろおろウロウロ。

食欲もなかろう。
今日は朝食抜きでもかまわないかな。
そう覚悟する飼い主だったのだが。

しばし経ってゴロゴロも鳴り止んだようだし、
姫さまお食事になさいますか？

いつもの勢いはないけど完食するイヴ姫。
まあこれなら安心だわ。

ところでイヴ姫さま、そろそろ神社にお参りしてもいい頃かも。
雷さんにおへそを取られないように、お願いせにゃんたい（笑）

姫は行く行く今朝は行く。

夜明け前の暗闇に虫の音が聞こえてくるよ。
もうすっかり秋。

秋の気配とかそんなレベルじゃなくて秋そのものだよ。

橋のたもとで考エル。
どっちに行くでしゅかね。

秋雨前線が停滞し、こりゃ本当に残暑なんてないかもね。

そうなんでしゅか？
姫はまた考エル。

橋の名前は思案橋．．．と日記には書いておこう。

朝、五時前の朝
玄関を開けるともの凄い勢いで飛びだすイヴ姫。

どうした、何なんだい。

とその時、飼い主の視界に逃げていく猫の姿が見えた。

姫、追いかける。
あら雨が降ってるじゃん、と気がつく飼い主。

猫まっしぐらで暗闇に逃げる。

残念、取り逃がしたようだね。

姫的には自分のテリトリーを侵されて黙ってはいられないだろう。

さてさて、今日も雨にて候。

朝食後に二度寝するイヴ姫。

9月はエっちゃん月イヴ姫月なのに、雨のスタートざますね。